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うろ覚えのまま観た
先日の夜に、家族と家で見たAmazon Prime Videoの『プロジェクト・ヘイル・メアリー』。
原作は、YouTubeの動画でこの本を知って、ザーッと読んだだけだった。上下巻あったはずなのに、内容はほとんど頭に残っていない。ライランド・グレースが記憶をなくすところから始まる、というのだけは覚えていた。
映画では、そこが数分で終わる。名前を思い出して、すぐフラッシュバックに入る。原作ではもっと長かったはずだけど、うろ覚えの私にはそれが分からなかった。だから「端折られた」という感覚がなく、素直に「あ、思い出したな」で見ていられた。うろ覚えというのも、悪いことばかりではないらしい。
ロッキーと少しずつ通じ合う
グレースとロッキーが、音や合図で少しずつ言葉を交わせるようになっていく時間があった。細かい過程は分からないなりに、画面のこちら側で「あ、いま近づいたな」と分かる瞬間がある。
ロッキーが岩みたいな見た目のわりに、動きが妙に人間くさくて、なんか愛くるしかった。
ザンドラ・ヒュラー
一番残ったのは、ストーリーよりも顔だった。
途中、ザンドラ・ヒュラー演じるエヴァ・ストラットが歌うシーンがある。それまでずっと冷静で、隙のない表情を崩さなかった人が、そこで急にゆるむ。台詞は少ないが、素のエヴァ・ストラットが現れるような気がする。でもこの顔ひとつで、この人がここまで何を抱えてきたのか、こちらに流れ込んでくる感じがあった。
エンディング間際、グレースが宇宙から送った研究結果と、ロッキーが作った人形を見て微笑むシーンも同じだった。何も喋らない。ただその顔が画面に映っているだけで、こちらの胸のあたりが動いた。
ちゃんと終わった
最後まで観て、もやもやが残らなかった。
科学や数式も出てこなかったけど、宇宙ものにありがちな、後味の重さがなかった。家で見ていて、すっと映画を見終えることができた。
余談
途中、ふと思った。
原作の本だが、もともとゆるコンピュータ科学ラジオで知ったのがきっかけだった。この映画の広告案件で動画を出してくれたら絶対おもしろいのになぁ、とも思った。科学が好きな人が、科学が好きな人に向けてこの映画を紹介する構図が、たぶんすごく合う。実現する見込みはたぶんゼロだけど、そんなことを考えているうちにエンドロールが流れていた。
もう一度、原作を読みたいと思った。





